ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

2018-01-01から1年間の記事一覧

個別化のものがたり

6時58分発、まえから3両目。この女性は、いつもしわのないダークスーツ。濃紺がおそろしく美しい。折り目がつきにくいのか、着古し感がない。スーツがまろやかに身に沿っている。パンプスは5~7センチ。ダークカラーばかりだけれど、デコラティブなビ…

夏が、まだいる。

あさがおが咲いているときは、まだ夏です。こぼれだねから、勝手に咲きました。「あらこんなところに」という風情があります。 と、言えといわれたので、言いました。執拗によばれましたが、見切りました。 (ホームズ著『犬と四季』より抜粋)

原点思考のものがたり

ひとは、スイッチを押したら、立ちあらわれる、ホログラフィーじゃない。いまこの瞬間に、パッとあらわれたわけじゃない。生まれてからここまで、なにかに嘆き、なにかを期待され、だれかを見送り、なにかに打ちこみ、なにかを捨てて、ここまで歩いてきた。…

犬は、おやくにたちます。

寝てばかりいるといわれました。犬は、案じます。犬は、加勢します。犬は、みぎからひだりに、はこびます。犬は、おやくにたってます。これからも犬を、よろしくおねがいします。 (ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より抜粋)

夜中、名前をよばれておこされましたが、

用はないみたいです。 いつものことです。よびたいだけよぶといいとおもいます。犬は、寛大なこころでうけとめます。この世は、そうやって渡ります。 (ホームズ著『それが犬の生きる道』より抜粋)

はんせいちゅう。

犬は、こうべをたれます。そろそろとあるきます。からだをちいさめにします。怒られるのが、わかっているからです。反省をしているフリをします。フリは、とてもだいじです。 (ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より抜粋)

ストレングス・ファインダーの読みとき超入門(2/2)

きのうの記事で、ストレングスの順位についてまでいったので、きょうはその使いこなしです。 (1)いま、どの資質を使っているのか、モニターしつづける (2)つかっている資質の、よい面があらわれているか、判別する (3)下位資質は、人から借りる。 …

ストレングス・ファインダーの読みとき超入門(1/2)

ストレングスファインダーってすごいらしい。世界をまたにかけるギャラップ社が、とんでもない資金を投げいれて、つくりだした、コンサルツール。ある外資系金融機関では、マグカップに自分のストレングスを書いてまでいるらしい。 勢い勇んで出したはいいも…

すべての岩山にのぼれ

どうですか、この凛々しさ。勇敢でしょう。犬は、岩山をも、のぼることができます。みじかい足で、ネコのように、飛びうつります。そこに、山があるから、のぼるのです。みんなに勇気をあたえたと思います。 (ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より抜…

目でみているものなのに、なぜ痛むのか。

とりわけ翻訳の文。日本語がガタガタしていて、のみごこちが悪いときがある。のみこめなくて、のどがちくちくする。アルミホイルを噛んでいるようないやな感じ。金物のおちつかなさ。あかいぶつぶつが喉にある気がする。食道につまる。でも読みたい。感覚を…

自己確信のものがたり

わが社がしなくて、だれが挑むのだ。ひっくりかえしたビールケースの上に立って、熱弁をふるう。根拠はない。資金もない。経験もない。でもやれる。やるしかない。 口角泡を飛ばし、身ぶり手ぶりで、訴えかける。60分ほど、暑苦しく演説したら、あたりには…

秋の犬。

見てください、この、躍動感。たれ耳は、走るとダンボになります。空もとべます。うそです。桜もみじが、ちりはじめています。おちばとは、秋のことです。 (ホームズ著『犬と四季』より抜粋)

かきくけこ。

実りつつある、柿といっしょにとりたかったそうです。そうはいきません。犬は、かくれています。柿に、かくれる、名探偵。ここ、笑うところです。 (ホームズ著『いっしょに笑おう犬のジョーク』より抜粋)

公平性のものがたり

社会は、ひらかれ、ただしく、くもりなく。みんなに等しく、みんなに機会を。だれもがバッターボックスにたつ権利がある。それをみんなで応援しないといけない。 ルールはあきらかであるべきだ。だれの目にふれても、おなじような判断ができるように。みがい…

競争性と運命思考は、順位が逆にでるのではないかという仮説と、かりそめのゲーム。

競争性は、勝ちたい。現実にめっぽう強い。この現世において、目のまえのあのひとを、ぬきたい。まっしろのテープを切りたい。群をぬきたい。あたまひとつ飛びだしたい。そんな競争性は、おとなげなく子どもにも勝ちにいく。 ということを、小学校の教師をし…

あらゆる快楽、あらゆる褒美、いかなる賛辞にもかなえられない、最後の果実。

わたしは、ひとつの愚を犯しました。いえ、現在進行形です。犯しつづけております。この世における万能感。そう、わたしはなんでもできる。ベッドの上で、天井を見あげながら、この世が手に入る。この耳をつんざき、とどろき、ふるえあがらせる、すさまじい…

さいしょからかしこい。

新入りは、犬のしっぽをひっぱります。がぶりと犬を噛みます。犬の毛をむしろうとします。犬は、おとなしくしています。されるままにしています。キバをむきません。ばうばう吠えません。犬は、新入りのおせわができます。「相手が赤ちゃんだとわかってる、…

新入りとさんぽ。

新入りが、あそびにきました。さんぽについて、犬がおしえてあげました。筋がよかったです。 新入りは、「ほむちゃんとさんぽしたい」と、ねだっているそうです。まんざらでもないです。犬は、新入りのおせわもできます。

乙女心と秋の空と、ハンプティと夏の空。

切なさ向上委員会のみなさま、こんばんは。そうでないみなさま、だんだん委員になりたくなってきたところではないでしょうか。入会金0円。会費も0円。来るもの拒まず、去るもの追わず。会員同士で、ひとくさりの置きてがみを。もちろん手書きです。肉筆で…

けもの。

犬は、たいおんが高くて、毛皮をきています。くっつくと、夏はあつがられます。でも、秋口からは、暖をとられます。犬はかわらないのに、みんながかわります。犬が、ケモノだからです。それがケモノのカナシミなんだそうです。

金襴緞子の帯しめながら、花嫁御寮はなぜ泣くのか。

読んでいた本に、竹久夢二の詩、「宵待草」がでてきた。ははあ。もうそれだけで染みてくる、きざし。はたして予感は的中した。だよね、わかってる。もちろん旋律を聞きたくなって、宵待草を流した。 待てど暮らせど、来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も…

地球にやさしい犬

犬は、どこにでも溶けこみます。どこにでもなじみます。こもれびも、いしだたみも、犬のともだちです。みんなにやさしい犬です。

妖怪とゾンビと地蔵盆

8月さいごの週に、地蔵盆がある。晩夏にある。五山の送り火も、お盆もおわったあと、精霊をおくる系の儀式がすべておわったあとに、ひっそりある。いや、ひっそりといっていいのか。夜闇をしのぶという意味では、ひそやかではある。 東京はお稲荷さんが多い…

なんの話だったか、人にはうまれつき優しさは備わってないと、姉がいいだした。

司馬遼太郎の、小学校の教科書むけの文章に、そう書かれていたらしい。あまり意味もなく、姉は、熱弁した。 うまれながらにして、やさしい人はいない。生来、そういうものらしい。おさな児は、酷薄なものだ。残酷ともいえる。痛みにゆがむ顔をみて、へんな顔…

ぬれねずみ。

犬は、みすぼらしくなりました。まるがりと、シャンプーをされました。どちらも、おとなしくうけいれます。じっとしています。いいこです。

はじめましての方におすすめの7記事(50記事から)

50記事こえましたー。やったー。これからもがんばります。めざせ、とりあえず100記事。というわけで、いままでのなかで、よく反響をいただいたものを、ピックアップします。 ストレングス・ファインダーに興味があるひとは 資質ごとに、その資質の特徴…

にくきゅう。

犬はあるきます。とことこあるきます。「どうながたんそく」なので、あめの日は、おなかがぬれます。「なんぎなこっちゃ」といわれます。

ロードバイクにおける友情・努力・勝利について

仲間っていいな(^▽^)みんなでスポーツするっていいな(^▽^)っていう、お前は少年ジャンプかみたいな心境に。 みんなでまとまって走る、自転車の走行会に、はじめていってきた。 ふだんはこころ細い車道も、前にいくつもの背中がみえるし、赤信号になると、靴…

長崎/ランタンフェスティバル

長崎は富んでいた。まぎれもなく富んでいた。長崎奉行は3年つとめれば、蔵が立つといわれた。すその重みで、口がきけぬともいわれた。賄賂が重くて。 長崎はまつりが多い。いまでも多い。そしてその衣装や装置は、むかしのものが、ケタちがいに豪奢だった。…

大阪礼賛、みをつくしても。

大阪には、あえていくほどのところは、とくにない。大阪うまれ、大阪育ちの身として、力強くいえる。だから、そとからきたひとに尋ねられると困る。うーん、京都か奈良にいったら?大阪城にいくなら白鷺城のほうがいいし、神戸の異人館もいい。寺社は京都に…