ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

山だより

高野山のふるい登山道で森林浴をしたら、天狗風を見た。

高野山の奥の院より奥、ひとけのまったくない登山道のはずれで、人間が転がっている。ぴくりとも動かない。拝観してランチをしたあと、思い思いの場所に散らばった。それぞれ大きなレジャーシートをひろげた。そこで寝転がったのだった。まっぴるまから、道…

大文字山の地蔵菩薩

大文字山。のぼるのはさほど、魅力的でもない。とびこえる沢も、ともにあるく水路も、劇的な絶景もない。五山の送り火のひとつとしての著名しかない。そして京都はさむい。なにを血迷って、みやこを置いたのかと問いただしたいくらい、暑いし寒い。四神相応…

妙見山(660m):キリシタンの残光

主神が北極星!家紋が、ほとんどクルス!高山右近の生誕地!寺社の門構えに、そこここに金字のクルスが型ぬかれている。これだけそろって、だれがいえるんだろう。まったくの偶然だなんて。キリシタンと無関係だなんて。小説だったら、伏線にしては興ざめな…

金勝アルプス(滋賀県・605m):絶景アスレチック

岩崖絶景岩崖絶景 という感じだった。最高。 ケモノ道というか修行道というかアドベンチャーというか、あらあらしい道で、始終たのしくてしかたなかった。野を駆け、山を走り回る。ひとの野生がでてくるというか、童心が呼びもどされるというか。なんだか、…

摩耶山(699m)六甲山系:ほろびの残り香

山セミの声はしずかで、ときおり、もの悲しげなひぐらしがきこえる。夏が濃いせいか、名のある山がとなりにあるせいか、山道はひとが少ない。ことば少ななちいさなグループとたまにすれちがう。音も少ない。 少し遅れると、視界にはひとがいない。見あげると…

皆子山(971m)京都最高峰の、青のりの輝き

こどもが砂山をつくる。ざんばらにスギを刺していく。そのうち飽きる。わすれ去る。それから70年くらい経つ。というような山だった。 上のほうは雑木林だったような気もしたけれど、ひたすらスギ!スギまたスギ!足もと、ぜんぶスギの枯れ枝。モミの木を大…