ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

小噺

砂漠の自販機を探す:葬儀場で、遺影を和服に加工して、親族家の数だけ刷る。

ブルーオーシャン。つまりは、未踏の地。ただただひろがる、澄んだ青。激戦の浜辺をぬけた、だれも商売していないところ。血ぬられた岸辺では、ないところ。はるかなる大洋。 だたし、このごろは、安価な技術で到達できるので、障壁が低い。スペイン王族に頼…

あたたかなまなざし、とうめいな冷厳さ、ひとしずくの狂おしい哀惜

ところで、この思想家、ものすごく好きです。 この方の、『逝きし世の面影』。文面からただよいでる、人間へのあたたかなまなざし、とうめいな冷厳さ、ひとしずくの狂おしい哀惜。1行読むたびに、胸がつまって、ひと息おきたくなる。ミネラルウォーターを流…

カザフの英雄は、無選別に旅立った。

カザフの英雄が世を去った。ちょうど一年前。デニス・テン。世界的なフィギュアスケーター、享年25才。車のミラーをぬすむという、ちゃちな犯罪者に刺された。犯罪者にとっては、ミラーがあればよかったのだ。デニス・テンであることを、おそらく知らなか…

人生名シーン回想モード

風邪をひいているので、さしいれにオロナミンCをもらった。あたまが煮沸されていて、オフィスワーカー系の海外ドラマかと思った。 ハーーイ!なあに、あなた朝から、この世のおわりみたいな顔してるの!(指先でつまんだオロナミンCを置く)あいかわらず、つ…

共感性は、ほんとうに、君のきもちがわかるのか?

わかーる わかるよ~♪ きみのきもちー! ファッションビルを横切っていたら、ふいに耳にとびこんできた。天井から注がれるメロディに、唐突に、全肯定された。前奏がない。いきなり、この歌詞がくる。わかる、わかるよ、きみのきもち。少女のような童顔が、…

はじめましての方におすすめの記事(120記事から)

またちょっと増えてきたので、このブログらしい記事をピックアップします。はじめましての方は、ぜひこちらからどうぞ。 読みもの系 切なさ向上委員会 読むもの系の仲間なんですが、ぜんぜんつながっていないように見えて、つなげていってます。ぜひ上からど…

はじめましての方におすすめの7記事(50記事から)

50記事こえましたー。やったー。これからもがんばります。めざせ、とりあえず100記事。というわけで、いままでのなかで、よく反響をいただいたものを、ピックアップします。 ストレングス・ファインダーに興味があるひとは 資質ごとに、その資質の特徴…

高校生くらいのころ、宮沢賢治の雨ニモ負ケズをひいて、「さふいふ人にわたしもなりたい」といったら、

父が、しばらくだまって、静かな声でいった。「デグノボーとひとに呼ばれるのは、きついものだよ」 た、たしかに。意図するせざるにかかわらず、父から、そこはかとなくただよう哀愁。高校生は、二の句をつげられなかった。 なぜこの話を思い出したかという…