ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

noteへの引越しのおしらせ

ここを見てくださっている、ありがたいみなさま長らく放置しているのに、今ここを目にしてくださっていて、ほんとうにありがとうございます。両手をつかんで、上下にふりながら、ありがとうの気持ちをエアーでお伝えしたいと思います。エアーで受け取ってい…

高野山のふるい登山道で森林浴をしたら、天狗風を見た。

高野山の奥の院より奥、ひとけのまったくない登山道のはずれで、人間が転がっている。ぴくりとも動かない。拝観してランチをしたあと、思い思いの場所に散らばった。それぞれ大きなレジャーシートをひろげた。そこで寝転がったのだった。まっぴるまから、道…

人事ブラックジョーク――表に出していいのかギリギリのラインをむだに狙う。

NGそうな気配を察したら、しれっと消します。人事はこんな感じだよ~~という生のすがたをお見せできればと。 内定電話ブラックジョーク 内定電話は、わたしたちのしごとのうち、ハッピーな方である。まず喜んでもらえる。たまに断られるけど、むこうの気持…

砂漠の自販機を探す:葬儀場で、遺影を和服に加工して、親族家の数だけ刷る。

ブルーオーシャン。つまりは、未踏の地。ただただひろがる、澄んだ青。激戦の浜辺をぬけた、だれも商売していないところ。血ぬられた岸辺では、ないところ。はるかなる大洋。 だたし、このごろは、安価な技術で到達できるので、障壁が低い。スペイン王族に頼…

人事的裏側──かなりキツいご指摘を受けたひとに、懲戒案件で再会する。パワハラで訴えられている。

あんまり書いていて、ハッピーな話ではないんですが。人事は、裏が見える。なので、みなさまのご参考までに。ややこしいな、なんか私悪いこと言ったっけ? 対応おかしかったっけ? と思うようなひとは、どこかで再会する。それっぽいところで。 だいたい、な…

就活の謎伝承を解読──採用担当は、某巨大掲示板をみているか。答え、自分の会社のは見てる。本人のSNSチェックもしてる。

就活生のかきこむ自社スレッドは見てる? みてる。特に採用の時期はみてる。さらにみんなで、たのしく話題にしてる。何年か前に、会社説明会のときに呼んだ新入社員がやらかしたらしく、スレッドが炎上したらしい。採用の時期になったら、いまだに話題になっ…

空の空、空の空なる哉、都て空なり。と、我が脳内のストレングス・ファインダー内省さんが、いい声で言った。

年度末の人事は、殺伐としている。そのなかで唐突に、脳内の内省が声をだした。内省さんは、賢者なので、朗々とした美声である。こういう意味である。「虚無の虚無、虚無の虚無なる哉、すべて虚無なり」 共感性さんが、あわてる。「やばくない?だいじょうぶ…

人事的日常――変な時期の採用は、ブラックに思われないか心配する。からの、死亡退職。

*変な時期に採用する話(1月に4月採用)。 同僚 「この時期に、この募集人数、ブラックに見えませんかね」上司 「業務拡大のため、とか、つけとく?」わたし「改組のため、いっしょに改革をしてくれるひと募集!」同僚 「やばさがにじみでてる」みんな「は…

新任採用担当が、就活の謎の伝承を検証する。その1。

新任人事の忘備録、就活のなぞの伝承をあらいながす。 就活のときに、学生のあいだではやった流言を、ふいに思い出しては、つっこみたくなったので、フレッシュなうちに書きこみたいと思います。

朱いろの小袖から、まっしろな手首がのぞいている。

手がみえる。朱いろの小袖から、まっしろな手首がのぞいている。手は、本をならびかえている。島田に結いあげた髪がみどりに光り、眉じりがきりりとあがっている。本棚のまえに、女が立っている。二本のはずなのに、あんまり忙しげに手が動くから、千手観音…

あたたかなまなざし、とうめいな冷厳さ、ひとしずくの狂おしい哀惜

ところで、この思想家、ものすごく好きです。 この方の、『逝きし世の面影』。文面からただよいでる、人間へのあたたかなまなざし、とうめいな冷厳さ、ひとしずくの狂おしい哀惜。1行読むたびに、胸がつまって、ひと息おきたくなる。ミネラルウォーターを流…

カザフの英雄は、無選別に旅立った。

カザフの英雄が世を去った。ちょうど一年前。デニス・テン。世界的なフィギュアスケーター、享年25才。車のミラーをぬすむという、ちゃちな犯罪者に刺された。犯罪者にとっては、ミラーがあればよかったのだ。デニス・テンであることを、おそらく知らなか…

人生名シーン回想モード

風邪をひいているので、さしいれにオロナミンCをもらった。あたまが煮沸されていて、オフィスワーカー系の海外ドラマかと思った。 ハーーイ!なあに、あなた朝から、この世のおわりみたいな顔してるの!(指先でつまんだオロナミンCを置く)あいかわらず、つ…

まぶたの裏に、夏の特別がある。風の古民家うえみなみレポ。

ふりあおいだ、入道雲。リボンひらめく、麦わらぼうし。そでの丸いワンピース。しずむ夕陽をながめたテトラポッド。神妙に手をつないだ、かえり道。日焼けなんて、どうでもよかった。花火なんて、なくてよかった。 金粉を散らしたようにはじける、早暁の小川…

犬は高貴

ふせた、まぶた。きらめくクリームのうぶげ。ふさふさの長いしっぽ。犬の高貴を、ここにごひろうします。どうでしょうか。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)

護衛官

ねむっているとお思いかと思います。護衛しています。けどられないようにです。ゆだんしているようにみせています。犬はすぐおきます。犬は、人間を、まもってあげています。肉をください。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)

光あふるる春の日に

めだかおいけこかげひごい それがいぬのおにわ (愛犬ホームズ著『じっくり味わう犬の詩集』より)

犬だって。

犬だって、いじけるとき、あります。人間をからかうの、好きです。茶々は、いれるほうです。かまってもらうほうが、だいじです。お相手されたいです。でも犬だって、ふんわりされたいです。ふんわりを、おねがいします。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇…

柿の春

犬は柿が好きです。おいしいからです。きくところによると、柿がもどってきたらしいです。もうすぐ柿がたべられます。たのしみです。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)

意思

犬はふんばります。いきたくないからです。犬は、ちいさいので、人間にまけます。ずりずりされます。「ロック中のキャスターつきイス」だそうです。そのうち、もちあげられました。「さんぽの意味ない」人間はいいます。「ホームズ重い」人間はいいます。 (…

名犬ホームズ

人間の夜がおそいです。となりにすわって、ねむっていました。そろそろ犬のへやに帰ろうとしました。人間はよびます。「ほむちゃん」もういちど、となりにすわりました。しばらくして、犬のへやに帰ろうとしました。人間はまたよびます。「ほむちゃん」もう…

犬のワルツ

犬は♬︎ 犬は♬︎あるく♬︎ あるく♬︎犬はいつもごきげんです。ついていってあげます。おつきあいしてあげます。犬はみんなのともだちです。るん。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)

さがしもの

さがしものは、ありましたか。犬はまだです。おつきあいしてあげます。犬もさがします。やまわけしましょう。 (愛犬ホームズ著『犬追物』より)

あれ。

あれが光ると、きょうがおわります。あれです。みなさんも、そろそろおわりです。犬といっしょにねましょう。目がしぱしぱします。ひとりにしないでください。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)

はこび屋

犬のです。ふわふわは、犬のです。新入りもほしがります。犬と新入りがとりあいます。犬は、はこびます。犬のだからです。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)

パトラッシュの水飲み場

このたらいは、パトの水飲み場です。まえの犬は、ここで水をのんでいました。犬は、ちいさいので、のめません。 (愛犬ホームズ著『犬と四季』より)

走れ!

走れ!いないあいだに今日のすきまに走れ!いまよりはやくここよりさきに (愛犬ホームズ著『犬追物』より)

相棒、去る。

あいぼうの、ここにあった花がいなくなりました。魔が差して花を食いちらかしたり、いっしょにひなたぼっこをしていました。「季節が去ったから」だそうです。季節がいなくなったから、花もいなくなりました。 (愛犬ホームズ著『犬と四季』より)

誰か

だれかがくるらしいです。いまのひとじゃないです。そのまえのひとでもないです。犬はまちます。だれなのかはわかりません。 (愛犬ホームズ著『犬追物』より)

お勝手のまえで待つ。

あのね、そこのおねいさん。犬ね、つかれたの。おうち入りたいの。いれてほしいの。そとはあついの。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』)