ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

あたたかなまなざし、とうめいな冷厳さ、ひとしずくの狂おしい哀惜

ところで、この思想家、ものすごく好きです。 この方の、『逝きし世の面影』。文面からただよいでる、人間へのあたたかなまなざし、とうめいな冷厳さ、ひとしずくの狂おしい哀惜。1行読むたびに、胸がつまって、ひと息おきたくなる。ミネラルウォーターを流…

カザフの英雄は、無選別に旅立った。

カザフの英雄が世を去った。ちょうど一年前。デニス・テン。世界的なフィギュアスケーター、享年25才。車のミラーをぬすむという、ちゃちな犯罪者に刺された。犯罪者にとっては、ミラーがあればよかったのだ。デニス・テンであることを、おそらく知らなか…

人生名シーン回想モード

風邪をひいているので、さしいれにオロナミンCをもらった。あたまが煮沸されていて、オフィスワーカー系の海外ドラマかと思った。 ハーーイ!なあに、あなた朝から、この世のおわりみたいな顔してるの!(指先でつまんだオロナミンCを置く)あいかわらず、つ…

まぶたの裏に、夏の特別がある。風の古民家うえみなみレポ。

ふりあおいだ、入道雲。リボンひらめく、麦わらぼうし。そでの丸いワンピース。しずむ夕陽をながめたテトラポッド。神妙に手をつないだ、かえり道。日焼けなんて、どうでもよかった。花火なんて、なくてよかった。 金粉を散らしたようにはじける、早暁の小川…

犬は高貴

ふせた、まぶた。きらめくクリームのうぶげ。ふさふさの長いしっぽ。犬の高貴を、ここにごひろうします。どうでしょうか。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より)