ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

人事ブラックジョーク――表に出していいのかギリギリのラインをむだに狙う。

NGそうな気配を察したら、しれっと消します。
人事はこんな感じだよ~~という生のすがたをお見せできればと。

内定電話ブラックジョーク

内定電話は、わたしたちのしごとのうち、ハッピーな方である。
まず喜んでもらえる。
たまに断られるけど、むこうの気持ちが一気にあがって、こっちもうれしい。
こちらも気持ちをあげめに、にこやかに、弾むように。
たとえ断られたとしても、笑顔で残念そうに、感じよく。
(でも、いまからする内定電話は)
受話器に手をのっけて、首をひねった。
この人事は、待遇が悪い。
このひとにとって、いまの職場のほうが待遇がいいの、わかってる。
このひとは56歳、定年ぎりぎりなので、退職金にかかわってくる。
となりの席に、声をかける。
「給与って、聞かれなければ、いわなくていいですよね」
むかいの同僚がにやにやしている。
「いまのところで定年3年残して自己都合退職、年俸も100万くらいさがり、500万円くらい損しますけれどね」
4人でためいきをつく。500万は高い。
「でも、承諾書、書いてもらったもん勝ちですよね」
「サインしたらおわりですね」
「むこうで退職届をだしてしまったらね」
「ははははは」
「ははははは」

その後、第2声くらいで、給与を聞かれました。笑 
お金だいじ。とてもだいじ。
みなさん、ちゃんと聞きましょう。
そして内定承諾もいただきました。よかった。

労災ブラックジョーク

上司がぴらりと、紙を見せた。
「ハラスメント対策室長だったあのひとの診断書、でてきたよ」
病名、適応障害。
入院と書かれている。
「メンタルで入院するって、よっぽどですよね」
上司が片眉をあげた。
「犠牲者だな」
このことばをいいたかったんだとばかりに、静かにいった。
「クレームばかり、受けまくってたから」
話に同僚がまざってきた。
彼は、あまり表情がかわらない。
「課長は、ハラスメントにいたことが原因だってこと、わかってるんですか」
「わかってない。また人員減らそうとしてる」
「狂ってる」
上司が長いまつげをしばたたかせた。
「きのう思ったんですが、ひとりくらい死なないとだめですね。ちゃんと、室にいたことが原因だって、遺書に明記してもらって」
「俺もきのう思った。文言のこしてもらわないと。名前のところは自著、押印で」
「ジョークがブラックにすぎますね」
「ははははは」
「ははははは」

どのへんが人事ジョークかというと、自著押印と、証拠をのこそうとしてるあたりです。
あれ、おもしろくない?

ハラスメントジョーク

相手方があって、場があって、ぼろぼろに叩かれたわたしたち。
長時間、ものすごく口汚く罵られた。
職務とはいえ、面とむかって、怒りや蔑みをぶつけられるのは、なかなかにしんどい。
「あのひと、なんであんな言い方をするんですかね…」
ハラスメント室が、目を細めた。
「あのひとはね、パワハラとセクハラで訴えられてるよ」
「え、セクハラですか」
「主にことばね。『君に溺れてお手上げなんだ』とか、『僕を狂わせてどうしたいんだい』とか」
みんなで絶句。
「あの場で、ふと思い出して、読みあげようかと思った」
「ははははは」

あれ、おもしろくない?
ブラックすぎた?
人事的日常はこんな感じです。


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