ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

人事的日常――変な時期の採用は、ブラックに思われないか心配する。からの、死亡退職。

*変な時期に採用する話(1月に4月採用)。

同僚 「この時期に、この募集人数、ブラックに見えませんかね」
上司 「業務拡大のため、とか、つけとく?」
わたし「改組のため、いっしょに改革をしてくれるひと募集!」
同僚 「やばさがにじみでてる」
みんな「はははは」


ほんとのとこは。
休職したひとたちが、帰ってこないからです……そしてまたふえた……
みなさま、おからだをおだいじに。


*人間ドック結果をだしたら、職場健診が免除される話。

上司 「なんでださないの? 健診うけなくてすむのに」
わたし「なんとなく嫌ですよ」
上司 「気にしなくても、人間ドック、悪い人いっぱいいるよ。このひと、もうそろそろ死ぬんじゃないかと、危ぶまれる人、けっこういるよ」
わたし「そっちですか」
上司 「だからだいじょうぶ!」

なにがだいじょうぶなのかわかんないが、みなさま、おからだおだいじに……

 

*そういえば、先日、死亡退職があったんだった。

話をきいて、びっくりして声をあげてしまった。
59歳。大動脈瘤乖離。
「携帯電話にかけてもかからないから、家の電話にかけたら、奥さんから、亡くなったと」。
うちは組織が大きいので、名前をきいてもピンとはこない。
だまって、人事システムを検索する。
異動記録ばかりで、履歴の入力がない。
しかたないので、紙媒体をさがしに、書庫へいった。
あった。
履歴書をめくる。
ハーバード大学、と目に飛びこんできた。
卒業後すぐに、バンクオブアメリカで働き、何回か転職している。
なにを思ったか、40代で来日。
家族欄には、「妻、犬2匹、金魚5匹」と書かれていた。
金魚。


人事はブラックなので、可及的速やかに離脱したいんだけど、人の人生の記録に接していることだけは、エネルギーをもらえる。
いや、ほんとは、定時で帰れさえすれば、全体的におもしろい。
定時で帰れさえすれば。
という、条件が、空集合でなければ。
∅。これ。

 

▼わすれられない履歴書の金魚。きっと採用時にみていたら、なんとも思わない。死亡退職時にみると、わすれられなくなる。その金魚ももう、死んでいるから。

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