ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

アレンジのものがたり

ボールをひとつ、ふたつ、みっつ。
あお、あか、きいろ。
ジャグリングしながら、うしろにひとつ投げる。
くるっと回転してまたキャッチ。
歓声があがる。
ボールをよっつ、いつつ、むっつ。
みどり、むらさき、だいだいいろ。
こんどは、回転しながらみっつ投げる。
無事キャッチ。
こんなことは、なんてことない。
特技でもなんでもない。
サーカス、軽業、大道芸。
そんなにすごいものじゃないよ、カチャカチャはめるのが好きなだけで。
 
 
なんでもいつでも同時並行。
蒸しものをしているあいだに、ランドリーをかたづけて、かたづけているあいだに、バスルームを殺菌する。
その時間はぴったりおさまっている。
どれかのせいで、なにかが遅れたりはしない。
10分、15分、25分。時間をはめていく。
 
 
天候の悪化も、不慮の電話も、すんなり吸収して、はめなおす。
二転三転、気にしない。
四転五転、むしろたのしい。
ご要望に、お応えします。
変化はいくらでも、お受けします。
カチカチなのは、好きじゃない。
投げて、回転させて、すっぽりあてはめる。
ジャグリング、ジャグリング。
数が多ければ多いほど、燃えあがる。
ほら見て、たぐいまれなる、完璧なバランス。
 
 
着想のような化学反応はできない。かけ算はにがて。
アレンジは、あるものを足して組み合わせて、すきまなく埋めきる。
適応性は、「今」や「誰か」に反応する(人間関係資質)。
アレンジは、「要素」に反応する(行動力資質)。
公平性や規律性は、変化がにがてだけど、アレンジは大好き。
戦略性は、道すじを考えて、いまの条件ならどの選択肢をえらぶか考えるけれど、アレンジは、いまあるものを、組み合わせる。

 
アレンジはこう見えて、トリッキーなことはしない。
手持ちのカードを、地道にくみあわせているだけ。
ファンタジスタではない。
派手なことはなんにもない。
標的にむかって粘りづよく、旋回しては、狙い撃ちもできない。
適応性のように、海になびくワカメのような、受け容れかたもできない。

 


それでもアレンジは、いつもあなたの「すこし困った」を解消します。
すぐ変わっても、いやな顔しません。
なめらかに次のことを考えます。
カードをいっしょに解読します。
とれる方法を、探れます。
アレンジはいつでも寄り添います。
お気軽に、お呼びたてください。
いつでも、どこでも、駆けつけます。

あなたのご希望、叶えます。

 


・つんくが、モーニング娘のなかからユニットをたくさん作っていたのがまさにアレンジ。
・スーツケースにいれるワレモノの位置、重さの配分、洗濯するものはとりだしやすいところに、最後はすきまさえ作って、パッキング完了。

 

ストレングス・ファインダー 実行力資質
アレンジ 回復志向 規律性 公平性 慎重さ 信念 責任感 達成欲 目標志向

 

 アレンジが上位にある人は、ひとしなみ「アレンジって……何?」と、いぶかし気な顔でおっしゃいます。アレンジということばが、ふわっとしているからかなぁ。かといって、ぴったりくる語は思いつかない。

 なんとなく、UNOっぽい。

UNO ™ & Friends - 定番カードゲームがソーシャルに!

 

犬のふんばりファンのみなさま、お待たせしました。

池のまえで、ふみこみます。
たれ耳が、たれています。
さかながいます。
犬は、食べません。

水面があれば、のぞくことが、礼儀ではないでしょうか。
犬は、おちません。

(ホームズ著『それが犬の生きる道』より抜粋)

 

個別化のものがたり

6時58分発、まえから3両目。
この女性は、いつもしわのないダークスーツ。
濃紺がおそろしく美しい。
折り目がつきにくいのか、着古し感がない。
スーツがまろやかに身に沿っている。
パンプスは5~7センチ。
ダークカラーばかりだけれど、デコラティブなビジューがついている。
からみあわせるように両足を組んでいる。
自分の身を守るかのように。
読んでいる日経新聞は、四角形に折ってある。
あの駅でおりるから、きっとあの金融系会社ではたらいているんだろう。
たまに朝からブラックサンダーを、苛立たしげに、かじっている。
スカーフをまいたかっちりしたバッグに、いくつブラックサンダーを常備しているのだろう。

うすぼんやりした色のスーツの、あの男性。
雨がふるといつも、折りたたみカサから水をしたたらせている。
そういうときはつまらなさそうに、ドア横にたつ。
ぺらぺらのカサは、ぬれると、黒なのか藍なのかわからない。
真夏でも、長袖のカッターシャツ。
うすいから、インナーが透けている。
たまに車内で、部下らしきひとに声をかけられて、あわく会釈している。
部下は、ポロシャツ。
10月までノーネクタイ。
スーパークールビズ適用で、あの駅でおりるから、駅前のあの会社だろう。

おなじ車両にのっているひとは、ほとんど全員、把握している。
どの人も、どの人も、それぞれ、どんな過ごし方をして、どの駅でおりて、どの日にのってこないか、わかっている。
それが趣味だから、疲れるなんてことはない。
たのしくってしかたない。
眼が勝手に追う。
これ以上のレジャーはない。


窮屈な思いをして型にあわせようとするなんて、不幸以外のなんでもない。
ひとは、とんがっていて、ぎざぎざで、あわれなほど、えぐれていたりする。
それがおもしろい。
そこがすばらしい。
だれかの真似なんて、つまらないことやめよう。
どうでもいいこだわりを、肯定していこう。
意味不明、OK。
むだな苦労、OK。
役に立たない発想、OK。
結果として遠まわり、OK。
ひとの生態って、なんて豊富でユニークなんだ。
だれが何をしていたって、べつにいいじゃないか。
生物ってもともとそういうものだ。

まとめる必要がどこにある?
公平とか平等とか、なんのこと?
一様でならないといけないなんて、だれがいった?
好きにすればいいじゃない。
好きにするのが、いちばん活かせる。
あの人は、こう伝えると、大車輪。
あの人は、彼と組んだら、快進撃。
あの人は、あそこにいると、ひとり舞台。
見たらわかるよ、いつだって見てるから。
 
 
暖流と寒流のぶつかるところは、いい漁場になる。
リマン海流。対馬海流。千島海流。日本海流。
寒流が運んできた、ゆたかなプランクトンが、暖流とまざる。
暖流の魚たちは、潤沢な栄養を浴びて、ぐんぐん成長する。
北の海からおりてきた魚たちと、南国からあがってきた魚たちが、ひしめきながら生育するスポットがある。
百花繚乱、これほど無尽の多様はない。

ここは潮目だ。

そう、個別化は、潮目をつくる。

 

 

・人間関係資質のなかでも、思考系に近い。クール。
・変なもの、変な人が好き。だいぶ変なひととも仲よくなれる。
・全体の意見をまとめられるのが調和性、まとめられないのが個別化。
・両方もっていたら、尊重しつつまとめることができる。
・親密性は、このおばあちゃんがつくった雑煮が食べたい。個別化は、雑煮のすさまじい多様性を追求するために、このひとがどんな雑煮をつくるのか知りたい。

 

(私見)
「人間関係資質をぜんぜんもっていないけど、唯一、個別化だけある」というひとをよく見る。

 

ストレングス・ファインダー 人間関係構築力
運命思考 共感性 個別化 親密性 成長促進 調和性 適応性 包含 ポジティブ

 

 「個別化はおもしろがるだけで助けない」と、この記事で書いたら、個別化1位さんに、胸をおさえて「どきりとした」と、お言葉いただきました。おもしろがるだけで助けないそうです。

 

ユーアイ 万華鏡 ちりめん うさぎ 紺

 

 

夏が、まだいる。

あさがおが咲いているときは、まだ夏です。
こぼれだねから、勝手に咲きました。
「あらこんなところに」という風情があります。

と、言えといわれたので、言いました。
執拗によばれましたが、見切りました。

(ホームズ著『犬と四季』より抜粋)

原点思考のものがたり

ひとは、スイッチを押したら、立ちあらわれる、ホログラフィーじゃない。
いまこの瞬間に、パッとあらわれたわけじゃない。
生まれてからここまで、なにかに嘆き、なにかを期待され、だれかを見送り、なにかに打ちこみ、なにかを捨てて、ここまで歩いてきた。
25歳のひとは四半世紀分の、50歳のひとは半世紀分の物語がある。
のっぺらぼうでは、決してない。
その歴史を、ないがしろにはできない。
 
 
旅人があらわれる。
ゆきたけを尋ねた。
年のめぐりが悪かったのか、防御がとどかなかったのか。
嵐にもまれ、染まりきらなかった、自分という紅葉を嘆いている。
燃えるような赤にも、黄金にもなれなかった。
旅人は、自嘲する。
足もとには滴々と、雫がくだけている。
こうもり傘は、役に立たなかった。
ほおからも、髪からも、雨水をしたたらせている。
だれかから譲りうけた外套はボロボロ、革靴には泥水がしみている。


よくここまで辿りついたね。おめでとう。
きみの四半世紀は、むだにはならない。
あだになんかさせない。
いたずらに過ぎ去った日々なんかじゃ、決してない。
ゆっくりふりかえろう。
さあ、暖炉に近づいて。
薪だよ、火をみるとおちつくだろう。
珈琲でもいかがかね。
ちょうど、けさ焙煎したところだ。
こういうとき、若人は、おとなしく老人のお節介につきあうものさ。
ミルクとシュガーはご入用かな。
すまないね、ここには飲みものしかないんだ。
我慢なんかいらない。自分をたっぷり甘やかすんだ。
しげしげとながめて、どうしたんだい。
そのカップは、博物館に飾られているものと同じらしいね。
前任者がおいていった、お古だけどね。
しまいこんでいては、意味ないからね。
 
 
さあ、つづきをしよう。
きみはどこからきたんだい。
きみを育てたひとは。その上のひとたちは。
どういう系譜をたどってきたんだろう。
どんな子どもだったんだろう。
だいじなことさ。
きみの立ち居ふるまい、スプーンをすくうしぐさ、珈琲のしたたりに、まずいと眉をあげるやりかた、子音の発声の弱々しさ、その口癖、裏にひそむ思いこみ。
答えは、自分の延長線上にしかない。
切り拓くカギは、うしろをふりかえって、自分という線が、どこからどうのびてきたのかを見ることにある。

 
自分は、自分になっていくんだ。
原点に回帰していく。
そのヒントが、きみの歴史にはある。
 
 
若人は、はぜる薪をぼんやりと見やりながら、とつとつと話す。
できごとがいつ起こったのか、どう思ったのか。
ほんとうは、どうしたかったのか。
鮮明に覚えていた。あれは三歳のころ。あれは十七歳のころ。
いつ、何があったのか、特定できた。
若人の四半世紀の道には、そこここに宝石が埋まっている。
あんまり、こわごわ歩いたものだから、つよく踏みしめられている。
 
 
ああ、心配いらない。

スコップ、クワに、ツルハシをもってこよう。
粘土質が多いね、ここで泣いたんだろう。
おびただしい小石に、枯れた雑草がひどい。ここで踏んばったんだろうね。
それは石じゃなくて、宝石だよ。
原石でもないよ、どうしてその輝きがみえないんだろう。
ぬぐったらわかるよ。
これは黒瑪瑙、透輝石、電気石。
黒曜石だって立派な宝石だよ。
黒が好きじゃないのか、しかたないなあ。
あかるい石だって埋まっているよ。
でもそれは、まずこの黒曜石を美しく思えたらだね。
さあ、いっしょに掘りだそう。

6000年の昔から、きみと同じ生きものが、うまれては散っていった。
このあいだに、この生きものは変わってしまったんだろうか。
変わることができたのだろうか。
きみと同じような心をもち、似たような環境に育ち、似たあやまちを犯し、同じよろこびを掲げて、土塊に帰した。
そんなひとは、ほんとうにひとりもいないんだろうか。
染まらなかったきみの紅葉は、きみだけのケースなんだろうか。
そう断じることは、6000年への冒涜じゃないかね。


きみを延長していった先に、きみの未来はある。
うしろをふりかえると、6000年がある。
どうして、迷ったりするんだろう。
そう、未来は、すでにきみの手のなかにある。


きみはそれを、もう知っている。

 

 


・未来「志向」は、好みが未来にあるということ。
・原点「思考」は、過去を考える、過去を思考する。
・すぐ「そもそも」といいだすので、ややうざがられる。
・過去にこだわるので、ややうざがられる。
・原点と内省は、まわりの理解が必要。
・歴史好きが多い。
・社内誌づくりに燃えるが、できたものには興味がない。

 

ストレングス・ファインダー 戦略的思考力
学習欲 原点思考 収集心 戦略性 着想 内省 分析思考 未来志向

 

原点を礼賛しまくった記事はこちら。

 

 

ふだんは本文に、よくないところを混ぜるのですが、よくないところはないので箇条書きに混ぜました。
原点を!もっと!推していきたい!!

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犬は、おやくにたちます。


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寝てばかりいるといわれました。
犬は、案じます。
犬は、加勢します。
犬は、みぎからひだりに、はこびます。
犬は、おやくにたってます。

これからも犬を、よろしくおねがいします。

 


(ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より抜粋)

夜中、名前をよばれておこされましたが、

用はないみたいです。

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いつものことです。
よびたいだけよぶといいとおもいます。
犬は、寛大なこころでうけとめます。
この世は、そうやって渡ります。

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(ホームズ著『それが犬の生きる道』より抜粋)

はんせいちゅう。

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犬は、こうべをたれます。
そろそろとあるきます。
からだをちいさめにします。
怒られるのが、わかっているからです。
反省をしているフリをします。
フリは、とてもだいじです。

(ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より抜粋)

ストレングス・ファインダーの読みとき超入門(2/2)

きのうの記事で、ストレングスの順位についてまでいったので、きょうはその使いこなしです。

(1)いま、どの資質を使っているのか、モニターしつづける

自分の行動と、どの資質かを、紐づけする。
たとえば、やろうやろうと思っていることが、動きだせないとき。

最上志向は、完璧なものをだしたい。
そのための時間がないから、動けない。
ここで、最上をよくないようにふるっていると、自覚する。
ああ、自分を足止めしているのは、完璧をもとめる最上志向だ。
そこで最上は思いなおす。
ほどほどでいいや。最上もちの60%の出来は、ほかのひとからみると90%にみえるはずだ。

慎重さは、条件がととのわないと、動けない。
あれはどうなったの、まだじゃなかったっけ、あの可能性をつぶさないと。
ここで、慎重さは、はっとする。
これは慎重さだ。
自分が思っている条件はなにかを、つきとめればいい。


上位の資質は、もう反応なので、とめようとしなくてもいい。
点眼をするつもりで、目薬をかまえているのに、まばたきがとまらない。
どうしても眼は、異物がこわい。
まばたきはとめなくていいから、まぶたを、手でおさえればいい。
とめなくていいから、なにが暴れているのかを、よく見つめる。

 

はい、このあたりで、モニタリング、めんどうだなぁと思ったみなさま。
わかるけど、それやって効果あるの?と、よぎったみなさま。
こころに訴えられないと動かないの、知ってます。
どうして強みにフォーカスしないといけないのか。
切々と、波濤のごとく、おしえてくれている記事を引用します。
共感性2位は泣きました。
そしてころっと誓いました。
そうだ、やっぱり上位資質をいかすほかない。
ほかにわたしに道はない。

強みをいかすことが、どれほど有用か、どれだけ人生を左右するか。
わたしは涙で、前が見えません。
というわけで、つづけます。
億劫ですけれど、地道なことです。
愚直にひとつひとつ確認するしか、ないように思います。


(2)つかっている資質の、よい面があらわれているか、判別する

上位の資質は、強みとしても弱みとしても、つかってしまう。
強み使いと弱み使いの、どちらの面がでているか、自覚する。

たとえば、最上志向なら、相手が優秀じゃないと、とたんに興味を失ってしまう。
これが弱みづかい。
有名な例として、ノアの箱舟があると、最上は、優秀な人しかのせない。ひどい。

包含もいっしょにもっているとき、最上志向とからまりあって、みんなでいっしょに上をめざそうよ、という風になる。
これが強みづかい。
包含版のノアの箱舟は、全員をのせようとする。すごい。

強みづかいだけできていればいいけれど、ほとんどのひとは、そうじゃない過去がある。
上の資質は、エネルギー値がとても高い。
上位資質というジャックナイフをふりまわして、相手も自分も傷つけてしまうことが、ままある。
その過去を見つめなおすと、自分のくせがわかり、これからの弱みづかいを避けるよすがとなる。


(3)下位資質は、人から借りる。

どの資質をもっていないかわかっていて、だれがそれをもっているか知っている、というのは、とても僥倖。
その部分を指定して、お手をお貸しくださいとたのむだけでいい。
相手はごきげん。
使い手であることを、認めてもらえているから。
自分はというと、見つめすぎず、無難にやりすごすくらいがいい。


(4)上位資質が、よろこぶことをする。

その資質に、栄養をあたえる。
たとえば、内省は、考えることがなにより好き。
静寂のなかで、考えさせてほしい。
めまぐるしい日常に、句読点を打たせてほしい。
ねむるまえに10分だけでも、自分だけの時間をもつ。
それが内省という資質に、養分を与えることになる。

ひるがえって、コミュニケーションは、ひとと話すことで考えが深まる。
内省は、沈黙のなかで、自分で掘っていくけれど、コミュニケーションは、ひとに一度ぶつけることで、深化していく。
だれかに話したい。
だれかと脳内を交換したい。
話していくうちに、自分でもわかっていく。
だから、意見を投げあう相手が必要。
その時間をとることで、コミュニケーションという資質が満たされ、育ってゆく。


(5)だれかのために上位資質を使ったときのよろこび、無限大。

ひとが自己効力感、自己肯定感をもつために、いちばんてっとり早いのは、だれかに「ありがとう」といってもらうこと。
ありがとうを収穫できるなら、なんでもいい。
でも、とりわけ、得意なことであったら、よりいっそううれしい。
見せびらかしたいくらいの得意技だと、ことさらうれしい。
その決め技を、チームビルディングに用いて、みんなに貢献する。
それこそが、円熟。


いたずらに自分を、もてあまさない。
なま身の刀身を、ふりかざさない。
ねらいをさだめて、必殺技をくりだす。

これがストレングス・ファインダーの用い方です。

 

 

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0

 

 

ストレングス・ファインダーの読みとき超入門(1/2)

ストレングスファインダーってすごいらしい。
世界をまたにかけるギャラップ社が、とんでもない資金を投げいれて、つくりだした、コンサルツール。
ある外資系金融機関では、マグカップに自分のストレングスを書いてまでいるらしい。

勢い勇んで出したはいいものの、はて。
これ、どうすれば。
という方たちのための記事です。

 上位の資質について

上位7位は、利き手。


もう自分にくっついているものなので、つかっていることすら、わからない。
指摘されても、わからない。
ボールが飛んできたら、とっさに利き手ではらう。
脊髄反射なので、あたまを通らない。
気づかず、ぶつかっているひとをみたら、なんでよけないのかとふしぎに思う。
ナチュラルにつかいこなしているので、みんなができると思ってしまうふしもある。
あたりまえだと思っている。
なんでみんな、できるのにしないの、裏の意図があるのかな、とすら、勘ぐる。

最上志向は、コストパフォーマンスが大好き。
最短距離をいきたい。
活発性は、とにかく、反射で動いてしまう。
やりたい、やろう!突破しよう!
戦略性は、まわり道をしてでも、うまくいかなくても、修正をくりかえして、目的地にたどりつく。
最上からみると、活発性は、数を打ちすぎているように感じる。
活発性からすると、戦略性は、まどろっこしい。
戦略性からすると、最上がいうようなベストなんて、存在しない。道をつけかえ、やりかえるだけだ。

活発性は、奇襲をしかけて強行突破する。
最上は、斥候を送りだし、もどってくるのを待つ。
戦略は、数手先に思いをやりながら、南風が吹くタイミングを見極める。
おたがいに、もどかしい。


トップ7は、燦然とかがやく、無敵の資質。
とても強い。
強すぎて、影もできる。
つよみは、ゆがみ。
ゆがみは、痛みに通じている。
あんまり強すぎて、自己基盤がぐらついているときには、弱みづかいをしてしまう。
悪いように、悪いように、表出してしまう。

たとえば、指令性なら、強みとしてつかっているときは、緊急時の司令塔のように、たのもしい指揮ができる。
弱みとしてふるいだすと、必要なくても、むやみやたらに、相手をコントロールしてしまおうとしてしまって、衝突する。

責任感なら、背中の十字架が、重い。
たのまれてもいないのに、かついだ十字架が、骨にくいこむ。
最上×責任感をもっていたら、完璧にできないと、自分はおわりだと思ってしまう。
そしてその完璧を、まわりにももとめてしまう。


8-10位は、身につけているもの。


メガネ、コンタクト、時計。
腕をあげて、盤面をこちらに向けて、時間をみることができる。
会議中でも、ちらりと目にする。
気軽につかっている。

メガネはずっとつけているけれど、外そうと思えば、外せる。
ねむるときは、つけない。
やめておこうと思えば、使役しないですむ資質。
とてもバランスのいい順位。
このあたりの資質からすると、この上の資質は、なま身の刀身をふりまわしているように見える。
一撃必殺だが、自分までえぐる。
まったく気の毒。

11-15位は、バッグのなかにあるもの。


ポーチ、サイフ、ハンカチ。
かばんのなかには、おきにいりのものたち。
ボタンがとれても、だいじょうぶ。
かばんのなかに、回復志向があるから。
ソーイングセットをとりだして、さっとリカバリできる。
そういえば、社交性も、かばんに入れっぱなしじゃなかったっけ。
あたらしく開拓しなくても気にならないけれど、社交場にいくと輝ける。
ひととひとのあいだを泳いで、ああ、たのしい。
たまには、パーティもいいものね。

 下位の資質について


下位10位は、どんなにがんばってもひねりだせないので、あきらめる。
そういわれても、手放せない。
だって、下位は、苦手意識が強い。
まんなかのあたりは、できるようなできないようなものなので、あんまり気にしていない。
でも、不得手なものは、手にいれたいと思っている。
憧れている。
あの武器があれば、自分はもっと強くなれるんじゃないかと、ふだんから思っているものたちがならんでいる。

でもこれはあきらめる。
ただ、あきらめ方は、「この資質特有の到達方法をあきらめる」わけであって、それっぽいことは、あきらめなくていい。

たとえば、着想
着想をもっていないと、アイデアマンが、かっこよくみえる。
でも、戦略的思考群のほかの資質で、時間はかかっても、着想のだすような答えに、もっていくことができる。
着想は、疾走する。
むやみに早い。
星がふってきて、べつの星とぶつかって、かちっとくる。
ピカッ
キラッ
ポーン。
これは着想にしかできない。
星のふらせ方を、着想に聞いてまねをしてもしかたない。
着想は、説明できない。
「ピカッときた」としかいわない。

ただ、ほかの思考群で、おなじ結末を、導きだすことはできる。
戦略的思考群も、時間をかけさえすれば、できる。
これが、「着想特有の到達方法をあきらめる」ということで、着想のだす答えをあきらめなくてもいい。

 

▼それでもあきらめきれないひとに。
なぜあきらめたほうがいいのか、ということを、イメージしやすく解説してくれている記事が。
このベクトルの図、直感的にわかると思います。

 

あとは、ひとの力を借りること。
横に、着想を座らせる。
「ねえねえ着想さん、例の、ペカッ、ポーンをやって」とたのめばいい。
着想は大喜び。
これで解決。


下位について、補足。


昔は、ギャラップ社は、自分のデータを、順位だけでなく、どれくらいあるかも表示してくれていた。
それをみると、トップ5にかたまりすぎて、12位以下はほとんどない、横並びで0に近い、といった事例もあったそう。
なので、下位の順位は、そんなに差がないかもしれない。
どんぐりの背比べの可能性がある。
そしてとても重要なことに。元も子もないことに。
ボトムは、育たない。

 

燦然とかがやく、あまねく晴れわたる、上位をつかいこなそう。

つかいこなしかたは、2/2につづきます。

 


▼わたしは活発性ボトムなのですが、「はじめることがゴール!」と、トップにあるひとが書かれてます。
トップにある内省のせいで、わたしは活発性がさがっているのだと思うのですが、いいことばですよね。
はじめることがゴール!
そのさきはなんだろ。
めでたしめでたし、のあとは?(そう考えるのが内省)
ああそっか、Happily ever afterだ!(思いついてうれしい着想)

 

 ストレングスをだすのに、いちばん安い方法は、今も昔も、この本だそうです。2017年に2.0がでました。トップ5位までしかでないですが、入門としてぜひ。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0

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 こんなのもでてます。

ストレングス・リーダーシップ―さあ、リーダーの才能に目覚めよう

ストレングス・リーダーシップ―さあ、リーダーの才能に目覚めよう