愛犬ホームズの推理
いどむ眼というものを、おみせします。 大波小波どんな波もわれてくだけてさけてちるかも ほんとうは、シャンプーされた犬です。波じゃないです。ぬれねずみです。(愛犬ホームズ著『アート、それは犬』より)
犬は、高貴です。「たかだかとした鼻梁」「波だつ金いろの髪」「かたくむすばれたくちもと」「夜のように澄んだ黒いまなこ」「まつろわぬ目線」だからです。犬は、高貴なのです。(愛犬ホームズ著『アート、それは犬』より)
ごらんください。この躍動感。犬のすばしっこさが、わかってもらえるとおもいます。こうやって犬は、かけあがります。犬のかっこよさを、みごととらえた逸品です。もっといってくれていいです。そうです、犬は、かっこいいのです。 (愛犬ホームズ著『犬よ、…
あまえるとは、どういうことか、おつたえします。人間は、あまえるのがへたです。すかさず。まをおかず。くうきをよまず。おかまいなく。おきづかいなく。おなかをだします。あまえるとは、ずうずうしいことです。ずうずうしい、いいことばです。 (愛犬ホー…
新入りは、ちいさくてうごくものは、犬だとおもっています。新入りはきょうも、しろい犬(仮)を追っています。遠くから、ねらっています。新入りはちびなので、しろい犬になめられています。犬もよくなめられます。こんど、なぐさめてあげようとおもいます。…
刈られた毛皮と、刈られた犬。そのうえ、ぬれねずみ。「これはなにかに似ている。そうだ無残絵だ」「あわれがましい」「同情の涙が注がれるべき」「辛苦の業」好きにいえばいいです。犬は、がまんしてあげます。 (愛犬ホームズ著『犬のかなしみ』より) ▲さ…
犬は、かしこくなるように、ホームズと名づけられました。そうでしょう、そうでしょう。犬は、しっています。ごはんをたべて、ねむることです。それがたりてないとおもいます。それで事件は、かいけつします。ふふん。 (愛犬ホームズ著『犬よ、声低く真実を…
たまに人間は、犬のにくきゅうを、にぎにぎします。犬は、動じません。どうでもいいです。なすがままです。犬の前あしをふりながら、「握手」といったりもします。犬は、動じません。なすがままです。無です。そんな犬をみて、人間は「興味なさそうでかわい…
犬は、がっこうにいかせてもらいませんでした。ともだちも、いません。でも犬は、あしたがたのしみです。きょうもたのしいです。きのうも、たのしかったです。あしたにこまったら、犬のあたまを、なでなでしにきましょう。犬はげんきでここにいます。 (愛犬…
新入りから、写真がとどきました。犬のさんぽだそうです。犬がいないから、なにかをさんぽさせています。新入りのせなかが、さみしいです。犬は、犬は、なみだをきんじえません。 (愛犬ホームズ著『犬追物』より)
「そろそろ、いいかもしれない」「おなかのあたりなら」「背中に毛皮をせおっているし」「なにより、おなかが雨で、すぐよごれる」 ふおんです。ふおんな気配をかんじます。そんな目でみないでください。犬は知っています。その目は、ねぶみする目です。犬が…
「犬がちびすぎる」「さくらに飛びのってくれると、撮りやすい」「ソファに飛びのれるんだから、樹でもできる」「野生にもどるんだ」人間はむちゃをいいます。自分でやってみればいいとおもいます。 (愛犬ホームズ著『犬はどうでもいい』より) ▲世の人の、…
みんながあつまっています。ごはんです。犬はよんでもらっていません。でも、みんながいるところにいるのが、犬です。ここにいると、よく、けられます。ごはんも、ないです。人間のあしに、おしりのあたりを、あてます。ちょっとだけ、あてます。あったかい…
あのね、犬ね、ごはんだけもらえたら、あとはいいです。さんぽ、なくてもいいです。粗相しておこられても、いいです。犬語がわからない人間に、ごかいされても、いいです。さむくても、がたがたふるえるだけなので、いいです。夜に、かみなりがなって、こわ…
はなばしらが、つよいといいらしいです。犬は、素質があります。はなはしらが、ふといからです。でも、たたいたら、いたいです。 (愛犬ホームズ著『犬よ、声低く真実を語れ』より)
「よっぽどお腹はきもちいいんだろう」と、しみじみいわれます。「触覚に支配されている」と、気の毒そうでもあります。「だれにでもお腹をみせる」ともいわれます。犬を、そんな、尻軽みたいにいわないでください。でも、おなかは、いつまででも、なでてく…
おかえりなさい。なんですか、ご用ですか。ここ、犬の席です。犬も、パソコンなるものがつかえます。犬のとなり、すわっていいです。机の上にあるミルク、勝手にのみました。おいしかったです。 (愛犬ホームズ著『食卓と犬』より)
これくらいの高さ、なんでもないです。とびおりるところです。毛皮がなくなったので、ひっかかりがわるいです。ずりおちました。勝手がちがいました。「ぶざま」だそうです。悪口ということはわかります。人間もやってみればいいとおもいます。 (愛犬ホーム…
新入りは、ちいさくてうごくものは、犬だとおもっています。新入りはきょうも、でかい犬(仮)を追っています。このこのけがわは、はいだら、あったかいそうです。こわいです。大人気だそうです。こわいです。犬のけがわも、刈られます。急に、犬のともだち…
人間がいるので、つきあってあげます。本棚といっしょにとると、インスタばえするそうです。こっちをむくように、執拗にせまられました。おろかな人間の所業も、犬はゆるします。人間とくらすにあたっての、注意をおしらせしました。 (愛犬ホームズ著『犬は…
ものを訴える。だまって訴える。じっとみつめる。 目がおおきいので、しろめがみえます。めぢからは、しろめに宿ります。だまっていることが、ちからになる。 なかみはいりません。みんなだまされます。これが世界の真理です。 (愛犬ホームズ著『犬のもたら…
ねむいので、うとうとしてます。とろりん、ぱらりん。まぶたが、とろとろします。 カメラが、ちかいです。犬が、もとめられているんだと思います。なにもしてあげられなくて、めんもくないです。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』より) ▲染井…
花なのに、家のなかにいるやつがいます。さむいのが、にがてだからです。気持ち、わかります。食いあらしたりしません。いっしょにひなたぼっこします。ひなたぼっこのまえには、犬も花も、みんな平等です。 (愛犬ホームズ著『犬のもたらす薔薇色の日々』よ…
犬の庭にも、はるが、ちかよってきています。あしたもはれるでしょう。(愛犬ホームズ著『犬と四季』より)
犬は、おいてけぼりです。つれてってもらえません。かえってくるのをまちます。つれてってもらえるかもしれないと、しっぽをふりまくることもあります。かなわなくても、いじけないです。またあした、期待します。 (愛犬ホームズ著『それが犬の生きる道』よ…
新入りは、ちいさくてうごくものは、犬だとおもっています。犬っぽいものを、みつけたそうです。ちょっと黒いです。ちがうとおもいます。でも、新入りは、おいかけます。黒いのは、犬じゃないのにおいつめられます。まったく気の毒です。 (愛犬ホームズ著『…
犬の鼻も、よく利きます。犬の目は、みえないものをみます。 犬は、いわれなくてもわかってます。話せなくても、わかってます。犬は、ちゃんとわかってます。人間がわすれてしまっても。 (愛犬ホームズ著『犬のかなしみ』より)
犬は、ふわふわしたものなら、くわえにいきます。ふわふわを、はこぶのが好きです。右から左にはこびます。本はかたいので、どうでもいいです。よく踏みます。おしりで踏みます。なんともおもいません。人間も気にしません。「ほむちゃんちょっと」だけです…
「そとにあこがれる、とらわれの犬」を、ご想像でしょうか。「さんぽにつれてってもらえない、かわいそうな犬」のようでしょうか。ちがいます。とんだセンチメンタルです。索敵です。索敵をしているところです。人間よりはやく、敵をみつけるのです。へやで…
新入りは、犬をおいかけます。ちいさくてうごくものは、犬だとおもっています。いっしょうけんめい、おいかけます。犬(仮)は、めんどうそうに、にげていきます。よくみてください。犬は、そんなにいっぱいいません。 (愛犬ホームズ著『犬のおもかげを追う…