ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

ともだちのいない犬

犬は、よく人間におこられます。
いらんことをするからです。
いらんことしかしないからです。

人間が、かばってくれます。
「ほむちゃん、遊んでほしいだけだもんね」
「ほむちゃん、ともだちひとりもいないもんね」
「ばうばう吠えるから、ともだちできないもんね」
「人間はともだちいるでしょ、でもほむちゃんにはいないの」
「人間はいくところあるけど、ほむちゃんはここしかないの」
「さびしかっただけだもんね」
「かまってほしいだけだもんね」

同情をひく作戦です。
犬の悪口がまざっています。

(愛犬ホームズ著『犬のかなしみ』より)