ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

あのね。

あのね、ほんとはね、犬もね、改革とか、だいじだとおもうんです。
あたらしいこと、しないとだめだと、おもいます。
犬なりに、とりかかることもあります。
のぼれなかった階段を、かけあがりました。
とびあがったら、意外といけました。
でも、犬は、おりられません。
途中の階段で、かなしげに泣いて訴えました。
めんどうそうに人間がひろいあげてくれました。
ざぶとんのように、ふたつおりになって運ばれます。
「きのうより、2階に近い」とはげましてくれます。
どうしたら階段、おりられるようになるんでしょう。
おきゃくさん、犬のはなしをきいてますか。
あ、いま、犬のあしをみましたか。

(愛犬ホームズ著『犬のかなしみ』より)