ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

あたしメリーさん。すこし足が悪いの。

みなさまにご相談があります。

 

こないだ、夜23時ごろ、いい感じにほろ酔い加減で帰路についておりました。

まだまだ客引きのいる最寄り駅で降りて、若いミニスカ女性も余裕であるいているにぎやかな大通りを北上して、一本、奥に入ります。

そこからはぐっと人通りが減るけれど、おかげで窓を全開にしていても車の音ひとつしないすばらしい立地の我が家へ向かっておりました。

 

そこでなにげなく電信柱へ目をやると、酔いが一瞬で吹っ飛ぶ光景が。

なにしろ青い。

LEDで照らしたように真っ青な顔のおばあさんが、手引き車のそばに立ってこちらをじっとみている。

みているというか、思い切り目があっている。

むしろ顔と顔が向かい合っている。

あまりにおどろいて目をむいたまま、ぐるりと首を前に向けて一目散に家に帰って、近隣住民のともだちに報告した。

ねぇねぇ、りっちゃんが前にいってた電信柱のおばあちゃんをはじめてみたよ。

ほんとだったんだね。みたけどやっぱり実体だったよ。あれは立体だったよ。

 

「いや、どうかな。ありえないくらい真っ青でしょ。一年くらいまえから見るけど、だんだんこっちに近づいてきてるよね。1ブロックくらいは動いたかな。あたしメリーさん。今タバコ屋さんの角にいるの」

 

怖いこといわんといて。絶対違うって。だってはっきりくっきりしてたもん。3Dだったよ。幽霊はもっとぼんやりしたものだよ。

 

「じゃあ半透明の幽霊を見たことがあるの?」

 

ないけど!!

 

「だいじょうぶだよ。足が悪いみたいだから、すぐに家の前に立ってたりはしないよ。あたしメリーさん。今あなたの家の前にいるの」

 

ちょっとやめて。これ以上いったら首を絞めるよ!!

 

というわけで、わたしは徘徊老人説を推したいと思います。

まえにその友達から、23時の青いおばあさんの話を聞いたときは、「りっちゃんって見える人だったんだね」と流していたのに、自分まで見てしまいました。

この期に及んで、あまりにもこわいので、いえ、夜中に老人が歩いているようで心配なので、警察に連絡してみたということにしていいでしょうか。

そんなしょうもない通報していいでしょうか。

みなさまのご回答、お待ちしております。