ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

忠犬ハチ公

 犬は、人間がおふろにはいっているとき、ドアのまえで、まっています。
でまちといいます。
人間は「待っててくれたの」と、おおよろこびします。
あたかも、さいしょからさいごまでいたかのように、ふるまいます。
ほんとうは、おふろのドアがあく音をきいてから、かけつけます。
音もなくすべりこみます。
おすわりのポーズで待機します。
忠犬ホム公と呼ばれます。
ほめられることには、どんよくです。
(愛犬ホームズ著『それが犬の生きる道』より)