ふみのや ときわ堂

季感と哀歓、歴史と名残りの雑記帳

今年買ったものでいちばんのおすすめ。消音して、自分だけの世界へ。Bose QuietControl。


天下のBOSE、キャンセルの威力

Bose QuietControl 30 wireless headphones ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン。
騒音をうちけす周波を、積極的にだして、静けさをつくるイヤホン。
15年くらいまえ、まだ黎明期のころに、その概念を聞いて、興奮するこころをおさえきれなかった。
とるもとりあえず買った。
7000円くらい。
がっかりした。
背伸びして買ったのに。
業界では安いモデルだったためか、いまいちだった。
かなしみの記憶をのこして、はじめてのノイキャンは去った。
時を経て、去年。
まわりの音が気になると、自覚症状のあるひとたちで話しているとき、ノイキャンの話になった。
その場で貸してもらった。

な、なにこれ。
耳に入れて、スイッチをおしたとたん、

ヴ――ン

と、キャンセル音が、一瞬、響く。
そして音が消える。
クーラーの音が。
まえの道路をとおる車の音が。
すこし遠くの冷蔵庫の音が。
デジタルノイズが一掃される。
衝撃だった。
「どう?聞こえる?」
と、貸し主が、にこやかに声をかけてくる。
ひとの声は、あえて消さない設定になっているらしく、すこしちいさめに聞こえる。
即答した。
「これ、いくらだっけ?」

そのとき借りたのは、BOSEの有線のノイズキャンセルイヤホン。
3万円。
た、高い。
ノイキャンにもバラエティがあって、BOSEは最高額。
その下に、ソニーのノイキャンがある。2.5万円。
ソニーさんのほうがフレンドリーである。
でも、どうせ音を消すなら、最大限消してほしい。
できうるかぎりのサイレンスがほしい。
1週間、ともだちが貸してくれた。
快適この上ない。
車の音も聞こえなくなるから、大通りを、無音で車がすべっていく。
ちゃんと見てないとあぶない。
電車のなかでは、ガタンゴトンが消える。
音楽をきいていなくても、ノイキャンだけ作動させて、読書する。
アナウンスは聞こえるけれど、だいぶ音がちいさくなるので、おぼろに無意識下できいていることがなくなった。
アナウンスが何回あったか、とびらが何回ひらいたかというのが、自分にのこらない。
のりすごしたのか、だいじょうぶなのか、感覚ではわからなくなる。
時間の感覚がなくなる。
なので、眼で駅のようすや、こみぐあいを見て、判断するようになった。
よし、買おう。
3万くらい、安いもんだ。


有線か、無線か。

というわけで、ヨドバシカメラで実機を視聴しにいった。
BOSEには、無線と有線がある。
ともだちのものは、有線。
わたしは無線にした。3.5万円。
いま、ともだちのものと自分のものとを聴き比べても、やっぱり有線のほうがキャンセル率は高い気がする。
視聴のときも思った。
有線のほうがキャンセルしてる。
でもね、無線は、首にひっかけるだけなのです。
これが大きい。

▲有線。リモコンがぶらさがってる。

 ▲無線。この肩におく電池、重いとか気になるとか、たまに見るけど、わたしは気にならなかった。襟もとのタグは切るし、カシミアもNGの皮膚過敏だけど。


ふだんポケットのついているものを身につけていないので、有線のリモコンをいれておくところがない。
家のなかで家事をするときに、テレビの音も、とばしたい。
無線、べんり。
というわけで、苦渋の選択で、無線にした。
いまでも有線のほうがキャンセルしてくれると思っているけれど、無線のほうは、ファームウェアアップデートがある。
価格コムの、すこしまえの評判をみると、アップデートがかかって、ノイキャン度があがったと口コミがある。
もしかすると、今後、これ以上のキャンセルになるかもしれない。
というのにも、あわい期待をいだいております。
アップデートは今まで何回かかかっているけれど、体感では、そこの修正はその後、ないように思います。

ソニーのノイキャンとくらべる。

ヨドバシカメラでは、一応、ソニーのノイキャンも試した。
やっぱりBOSEのほうが強い。でもお手ごろ。
そこまでキャンセルに固執しないひとは、はじめて持つなら、こちらでもいいかも。

▲ソニーをお持ちの方の記事。

買って10か月の感想。

いま、買って10か月たっても、毎日毎日毎日つかってる。
ないと死ぬ。
外出に忘れると、そわそわする。
リスクヘッジで、もうひとつもっておいたほうがいいレベル。

音がないって、なんて快適なんだ。
受動的に、どれだけの音をあびていたのか。
どれだけのストレスが減っているのか。
どれだけ、集中力があがっているのか。
受験生のころ、自習室でつかいたかった。
テレビを見ながら勉強できるひとが、とてもうらやましかった。
どうしても、音にひっぱられた。
あらあらしいドアの開閉音。キイキイと、耳ざわりの悪い音。
こころが反応して、いやなきもちになる。
雑音がない。
圧倒的に減る。
これがどれほど大きいか。

騒音のあるところで、夜、寝るときも。
職場のあき部屋で、仮眠するときも。
テレビのついたリビングで、パソコンをあけているときも。
家族がわしゃわしゃしている部屋で、集中したいときも。
耳読や、講演をききながら、家事をしているときも。
ルンバや、オーブンや、乾燥機がまわりまくっていたとしても。
騒音に負けないから、音をあげなくていいから、音楽もちいさい音でいける。

そうそう、洗濯がおわったと思って、干しにいこうと、ノイキャンをとめたら、まだ回っている音が聞こえてたりもする。
ノイキャンをとめて、なにか音がするから、なんだろうと思ったら、炊飯器を動かしていたことを思い出したりもする。

そんな蜜月を、ノイキャンと過ごしていたころ。

3か月後、突然、充電できなくなった。

ないと生きていけなくなったころ、唐突に、つかえなくなった。
悲劇。
充電ができない。
プラグをつけると、電源インジケーターが10秒ほど赤ランプ点灯(点滅ではない)する。
しばらくすると、消灯。
………。
充電を接続していないときは、充電ボタンや、ほかのどのボタンをおしても、反応がない。
ランプがつかない。
高温や低温すぎるとNGとあったので、いろんな場所にもっていって、試した。
必死である。
それでも、赤ランプ点灯は、変わらない。
充電先のPCや、電源プラグを、いろいろ変えてみたけれど、やはり充電できない。
BOSEにメールする。
たすけてBOSEさん。

BOSEの神対応

すぐメールが返ってきた。
パソコンと、機器を有線で接続させて、ファームウェアをアップデートするようにと、案内があった。
それでうまくいかなければ、イヤーチップを外して、製造番号を教えてね、と。
いわれたとおりに真剣に試みる。
やはり復活しなかった。
製造番号のところを、写真をとって送る。
BOSEから返信。
この受付番号を書いて、ヤマト運輸で送ってねと返ってきた。
この送料は自分もち。
ついていても、送りかえせないので、本体以外はつけないでねと注釈があった。
イヤーチップも剥いで、ケースにもいれずに、ヤマトさんを呼んだ。
しばらくして、BOSEさんから宅配便がとどいた。

 

▲あたらしいのがきた!!!もともと自分が買ったパッケージといっしょに。

整備品なのか、完全な新品なのかはわからないけれど、みた感じは新品。
パッケージのフィルムもかかってた。
付属品もあたらしく全部ついてた。
送料もBOSEさん持ち。
交換対応、0円。
ありがたや。
BOSEさんへの忠誠を誓った。

▲あたらしくきたものと、パッケージ内部の写真がちがう。マイナーモデルチェンジ?

注意点:急速充電はしない

BOSEメールから、抜粋。

 ・付属のUSBケーブルをつかう
 ・パソコンのUSB端子から充電する

これをしてねと書いてあった。
スマートフォンやタブレット用の大容量(例:1.5Aや2A以上)ACアダプターで充電した場合、過電流により、充電池の劣化や、発熱による故障につながるおそれがありますので、ご使用をお控えくださいますようお願い申し上げます」
故障の原因はこれだと思います。
大容量かはわからないけれど、付属のケーブル、つかってなかった。
スマホ用のとごっちゃにつかってた。
公式で表示されてるより、ずっと早く充電できるから、べんりだとよろこんでいた。
おのずから寿命を縮めさせてました。
みなさまも、ぜひお気をつけて。


というわけで、
自分の世界をつくる、近未来ガジェット ノイズキャンセリングイヤホン。
おすすめです。


▲電車のなか、ガタンゴトンがなくなると、旅情もいっしょに消えてしまうので、たまにあえてイヤホンを外したりもする。

今週のお題「2018年に買ってよかったもの」