長崎/軍艦島:ほろびのパレルモの浅いささくれ
廃墟美。
戦前に炭坑の島として、栄えに栄え、東京以上の人口密度を誇り、のちに無人島となってから、野ざらしになった廃墟の島。
荒廃してゆくものの滅びの美学。
らしいんだけど、ハケで一直線にぬったような青空だから、悲壮感がゼロだった。
あんまり雲ひとつないから、イタリアのパレルモの空のようだなと思った。行ったことないけど。
横を歩いてたともだちは、ギリシャの古代遺跡のようだといってた。彼女も行ったことないけど。
どこも壊していないのに、風雨だけでこうなったらしい。
木製のものは、なにひとつ残っていなかった。
あまり眺めていると、ささくれ立ってくる気もする。
このときとった写真は、
・近代的廃墟
・平和そうに笑顔でピースをしている旅行者
・空はコバルト色の絵の具でこの上なくまっさお
という、なかなかなしろものでした。